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【本】「押井守の映画50年50本」の感想

ブログを書き始めて、映画の感想を何本か書いてみて、自分の感想の薄っぺらさにびっくりしました。

大人として恥ずかしいと思ってしまったので、もっと濃い感想を書くべく、映画の鑑賞法や批評などの本をコツコツ読んでいこうと思います。

10冊読むのが目標。

まずはこれです。

 

 

GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」や「イノセンス」の押井守監督の本です。

過去50年の各年に公開された映画を一本ずつ選び、その映画について押井守監督が語っていく、という内容です。

選ばれる映画は必ずしも名作を選んでいるわけではなく、「映画の正体に近づくために、映画の正体について語るために50本を選んでいる」そうです。

 

押井守監督が映画を見るときに、どこを見てどんなことを考えているか知ることができます。

映画を鑑賞する上での参考にもなりました。

 

自分が映画を鑑賞する上で参考になった言葉をいくつか紹介したいと思います。

 

音を消して映画を見ることで、思わぬ発見があるんだよ。(中略)音に騙されずに映画を見ることができるから。

騙されたと思って「エヴァQ」を音を消して見てみました。

面白かったです!

音の情報がないので、映像の情報が普通よりたくさん頭に入って来ました。

シンジ君が画面に出てくるときは基本的に画面の左側に居る、というのが自分の中で1番の発見です。

それ以来、映画を見るときに登場人物が画面のどこに居るのか気になるようになりました。

 

映画は「引用しながら語ることはできない」(中略)だからこそシリーズものの1作目と2作目を比較しながら語る。あるいはオリジナル版とリメイク版を比較しながら語る。

正直、なぜそうなのかよく分かってませんが、今後映画の感想を書く際には比較して書いてみたいと思います。

 

「映画を監督で語る」ってことが、いちばん正しいんだと思う。

本の中で監督のバックグラウンドについて語っている箇所がたくさんありました。

どこの国出身なのか、性的マイノリティなのかどうかなど、監督のバックグラウンドが映画に強く影響していると。

言われてみれば、当たり前のことですね。

これまで映画を見るときは基本的にストーリーとキャラクターしか見てなかったと思いますが、今後は監督にも目を向けて映画を見ようと思います。

 

欧米の、特にヨーロッパの映画を見る時は、聖書というバックグラウンドを意識しないとダメだと痛感した。

(中略)旧約聖書から読みはじめたら10ページもいかないうちに気持ちが折れるよ。

学生時代、エヴァにハマって聖書を読もうとして挫折したのを思い出しましたw

フランソワ・モーリアックの小説「イエスの生涯」から聖書に接近するのがおすすめだそうです。

学生時代にこのアドバイスを聞きたかった。。

機会があったら「イエスの生涯」を読んでみようと思います。

 

「愚作駄作を回避するな」(中略)数をこなすことで、いろいろ見えてくるようになる。そして考えることができるようになる。頭のなかで照合できるようになるからだよね。

なるほどと思いました。

ちょっと話がずれるかもしれませんが、年を重ねるごとに目が肥えて、ゲームでも映画でも漫画でも、とにかく駄作を避けようしていた気がします。

しかし結果的にそのせいで、娯楽を純粋に味わえなくなっていた気がします。

好きな娯楽を深く理解し味わうためにも、駄作を避けるのをやめてみようと思いました。

 

 

読み物として面白かったですし、映画を鑑賞する際の参考にもなりました。

宮崎駿とか、庵野秀明とか、押井監督と交流のある映画監督との個人的なエピソードもいくつか披露されていてそこも面白かったです。

 

自分は映画の鑑賞方法を知りたいと思って読みましたが、肩の力を抜いて、気晴らしに映画に関する読み物を読みたいという人にこそ、おすすめかもしれません。